獣医外科学研究室 Research and faculty introduction

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

研究室紹介と研究内容

手術で動物の命を助けたい・・・
 人と同様に動物にも様々な臓器・気管の病気が発生します。その中で「獣医外科学」は、外科療法(手術療法)により動物の病気を治療することを目的とした学問です。外科療法を効果的に行うためには、安全な麻酔・鎮痛法、外科療法が適応となる疾患の病態発生機序、正確な診断法、そして手術方法などに関する情報が必要です。研究室では小動物を対象とした整形外科、脳神経外科、軟部組織外科、再生医療、眼科、そして麻酔科領域の研究を展開しています。

教員紹介

原先生
  • 氏 名原 康
  • 役 職教授
  • 学 位獣医学博士
  • 専門分野外科疾患、特に脳神経外科そして整形外科学分野の疾患の病態発生機序そして治療法に関する研究
研究者情報
原田先生
  • 氏 名原田 恭治
  • 役 職准教授
  • 学 位博士(医学)
  • 専門分野整形外科・再生医療・バイオメカニクス
研究者情報
余戸先生
  • 氏 名余戸 拓也
  • 役 職講師
  • 学 位博士(獣医学)
  • 専門分野外科・眼科
研究者情報
神野先生
  • 氏 名神野 信夫
  • 役 職講師
  • 学 位博士(獣医学)
  • 専門分野外科・麻酔
研究者情報
鈴木先生
  • 氏 名鈴木 周二
  • 役 職講師
  • 学 位博士(獣医学)
  • 専門分野外科
研究者情報

Close-Up「研究」

1.下垂体腫瘍の病態発生そして治療

小動物臨床において代表的な内分泌疾患として知られている副腎皮質機能亢進症の約85%は下垂体腺腫に起因して発生し、「クッシング病」と呼ばれています。当研究室では20年前から、犬の下垂体腫瘍の病態発生、診断法、そして外科的治療に関する研究を展開し、これまでに多くの新知見を公表しています。

図1犬のACTH産生性下垂体腫瘍のMRI所見

図2犬のACTH産生性下垂体腫瘍の病理組織像

図3経蝶形骨下垂体切除術術前そして術後のMRI所見

図4犬のACTH産生性下垂体腫瘍術前そして術後の症例の外貌

2.再生医療の獣医臨床応用

獣医外科学研究室では、およそ9年前から再生医療に関する研究を行っています。骨髄や脂肪組織中に存在する幹細胞に関する研究や、各種サイトカインの研究などから実際の臨床応用に必要な数多くの成果を得てきました。現在では本学付属動物医療センターにて主に骨再生および脊髄再生に関する臨床試験を実施し、その有用性および安全性を調査しています。

図1犬の骨髄由来間葉系幹細胞およびそれを定着させたバイオ人工骨

図2大腿骨骨幹部に大きな骨欠損を伴う骨癒合不全症例

図3BMP(骨形成タンパク)を使用した骨再生治療(治療中)

図4骨再生治療終了時の状態(周囲の骨と一体化した骨組織が再生している)

学生からの一言

一戸 登夢 (獣医学専攻博士課程4年次)

本研究室では、教員の先生方と大学院生を中心に犬の「前十字靱帯断裂の病態発生」、「下垂体腫瘍」、「頸部椎間板ヘルニアの病態」、「骨・脊髄の再生医療」、そして「眼科疾患の病態」といった多様な研究テーマに対して取り組んでいます。室員はこれらの研究テーマに取り組む中で、獣医臨床に携わる上で重要な知識そして技術(診断、手術)を吸収し、様々な疾患に対する理解を深めることができるので、卒業後臨床獣医師として活躍するための経験を得るためには非常に良い環境だと思います。

河口 貴恵 (獣医学科6年次)

本研究室では、入室から6年生まで3年以上に渡り、当番制で大学病院の高度獣医療に先生方のサポートとして携わらせていただいています。2次診療施設ということで重篤な患者さんも多く、緊張感のある場面にも多々遭遇しますが、集中して当番に取り組むことができ、メリハリのある学生生活を送ることができます。また、わからない病気や治療に関することは自ら勉強する向上心の高い学生が多いのでお互い切磋琢磨し合い、いい刺激を受けることのできる環境です。将来、臨床現場に出ていく上で必要な、自ら勉強するという習慣と基礎知識を十分に得ることのできる研究室だと思います。

高野 重徳 (獣医学科5年次)

本研究室の室員は、小動物臨床分野の整形外科、神経外科、眼科、一般外科を担当する先生方のもとで勉強をしています。病院での診療や手術の手伝いのほか、各研究班の研究活動を通じて小動物臨床分野、特に小動物の外科学について学ぶことができます。将来を見据えて臨床の勉強がしたい人にはとても良い環境です。その分、責任のある仕事が多く、比較的忙しいですが、「遊ぶときは遊ぶ!」とメリハリのついた室員が多く、和気あいあいとした研究室です。