生命現象の根源には、まず分子が存在し、それが組織化して細胞、個体、さらには生物群(社会)を形成して生命活動が営まれています。生体分子化学研究室では、生化学・分子生物学・生物有機化学の考え方と技術に基づき、生物の生命はどのように維持されているのか、分子レベルから学びます。特に、質量分析計を用いた代謝産物やタンパクの網羅的解析を中心に研究を進めています。
生体分子化学研究室では動物の血液、微生物、培養細胞等を用いて遺伝子、タンパクおよび代謝産物の測定を行っています。特に代謝産物はセントラルドグマの最下流に位置するため変動が表現型や疾患を反映しやすいという特徴があり疾患発症予測のバイオマーカーとして有用です。そのような中で私は犬の培養細胞を用いて様々な物質を培養液中に添加した時の細胞中での変化をGC-MS,LC-MSという質量分析計を用いた代謝産物の網羅的解析により犬の糖尿病の発症機序解明を目標に研究を行っています。
現在研究室の学生はあまり多くはありませんがその分先生との距離も近くアットホームな雰囲気の中、各々が精力的かつ責任を持って研究活動に励み、充実した日々を送っています。
飛行時間型質量分析計を用いてタンパク質の1次構造解析を行っている学部生